2018 WEA Outdoor Leader Course Report

9月8日から9月19日の12日間にわたり、国立妙高青少年自然の家をベースキャンプに、WEAアウトドアリーダーコースが開催されました。戸隠、黒姫、火打、妙高の頸城山塊を舞台に、雨また雨の12日間でした。我々のために、快適な学習環境を提供してくださった妙高自然の家の星野所長をはじめて、職員の方々に心より感謝いたします。

 

参加者所感

キャンディデイト若泉将貴(ひの社会教育センター)
私にとって今回のWEAアウトドアリーダーコースは「大学4年間を凝縮したような12日間」となりました。自分自身好きで山に登ったり、キャンプしたり、アウトドアに従事していますが、自分が知っている世界や知識は限りなく小さく、自分の未熟さに悔しさを抱きました。プレ・メインエクスペディション共に「雨」という天候は、スキルを磨くのに”最高”のコンディションで、考えさせられることなど、学びを深める材料がたくさんありました。特にTC・LODの実践と振り返りは、自身の弱点を知ることができる手掛かりとなり、それを次回に繋げていくことで徐々にソフトスキルを磨いていくことができました。この12日間では学び足りていないこと、知りたいこと、まだまだたくさんあります。しかしこのコースに出会っていなかったら、そんなことすらも考えることができていなかったのかもしれません。まだ至らないことはありますが、このコースに出会えたことで、自分のスキルや感覚が「変わった」ことを実感できました。最後に、このコースで共に生活してきた、仲間・講師陣、そして舞台となった北信の山々に感謝の気持ちで一杯です。

キャンディデイト山崎智文(株式会社センス)
今回WEAのコースに参加して、一番良かったと思うことは、自分の課題や足りない部分を知ることができたことである。TCやLODをする中で、グループの仲間や、指導者の方々にフィードバックを頂いたことで明確になった。リーダーシップやリスクマネジメント、野外生活技術など、もちろん完璧ではないが野外指導者としての知識は確実に向上したと思う。今後、ここで学んだ理論と実践を現場で活用していくのが楽しみである。

 

キャンディデイト山本亮司(神戸YMCA)
初めての北信。どころか、初めての山行5泊6日。本物の自然と知識・技術。本やインターネットでの知識ではなく、体験が伴う学びはこんなにも大きな気付きになるものかと驚かされました。雨よりも、自身の弱さと強み、また山の奥深さを知った12日間。プロとしての歩みを強める足がかりになったことは間違いありません。共に過ごした仲間と講師の方々、北信の山々に感謝です。

 

 

アプレンティス阪田晃一(神戸YMCA)
WEAエデュケーターアプレンティスとして参加して
今回は妙高を舞台に開催された。昨年の大峰山でのコースが、いまだに鮮明に思い出される。身につけたスキルや知識を即座に応用し、最大限のパフォーマンスを引き出すWEAのカリキュラムと、その課題に向き合い着実にパワーアップしていく参加者の成長が、アプレンティスという参加者とは違う立場からよく感じることができた。個人的な課題であったOLSも、昨年よりは向上した。今後ますますの実践を重ね、技術を確かなものにしていくことを新たに決心したコース参加だった。参加の機会を与えていただいた受講生のみんなと、インストラクターに感謝したい。

講師所感

リードインストラクター岡村泰斗(backcountry classroom Inc.)
2013谷川清水峠、2014大雪トムラウシ南沼、2016年吾妻連峰谷地平、2017年大峰弥山、2018年火打山高谷池。これらはファイナルエスクペディションで参加者を山に残してきたポイントです(2015年は荒天のためファイナル中止)。どこをとっても山奥深いハイカー憧れの場所ばかりです。ファイナル直前は、リフレッシュや遠征準備のため、1、2日同じ場所に滞在します。野外研修やプライベートの登山では、数日間同じ場所に滞在することはほとんどなく、私の山行パターンの中では唯一WEAコースのみです。この滞在は、ファイナルの起点としてふさわしい奥山にありながら居心地がよい場所で、かつ、メンバーは成熟段階の高度なスキルに達しているため、野外教育指導者としての至高の時間を毎年与えてくれます。今年も秋深まる高谷池で、3名のメンバーと共に、フリータイム、野外パーティー、インプリなど充実した時間を過ごすことができました。そしてもう一つとても好きな時間が、メンバーを置いてひとり山を降りる時間です。WEA以外でも、一人で山を歩く時、いろいろ考え事をしながら歩くことがありますが、ファイナルの時の一人下山は、WEAのコースの出来事を思い出しながら、格別に楽しく歩くことができます。今年も、戸隠奥社へのありえない道迷いや、クライスマネジメントのティーチングなど、コース中のエピソードを思い出しながら、終始笑顔が溢れながらの下山でした。山にはいろいろな楽しみがありますが、数週間にわたり、日々変わりゆく自然を感じながら、日に日に成長ししてくメンバーと共に、これだけ濃密な時間を過ごすことのできる機会はなかなかありません。この野外指導者としての豊かで深い体験を、日本中の野外指導者に実感してもらうためにも、WEAをしっかり広げていきたいですね。

アシスタントインストラクター島崎晋亮(株式会社信州アウトドアプロジェクト)
私にとって馴染みの深い北信エリアで開催された今回のコースでは、WEAコースやカリキュラムの充実さ、北信エリアの自然の素晴らしさをあらためて実感することができました。4名の受講者はとてもモチベーションが高く、学ぶ姿勢やお互いを高め合う意識が素晴らしかったです。都合によりアドバンスコースの一部を彼らと過ごすことができませんでしたが、遠征のゴールである燕温泉で再会した彼らの清々しい顔は、本当に逞しく感じました。今回のコースの中で、私自身も指導者としての課題を再認識することができ、今後意識的に取り組んでいきたいと強く思います。アウトドアリーダーキャンディデイトの3名、アプレンティスの阪田さん、リードインストラクターを務めたばくさん、そして素晴らしい学びの環境であった北信エリアの大自然に心から感謝します。ありがとうございました。

活動記録

[9月8日]妙高青少年自然の家
オープニングセッション
SPECモデル
ウェルカムフラワーパーティー
ティーチングクラスアサイメント

 

 

[9月9日]戸隠キャンプ場(LOD山崎)
・バックパックフィッティング
・バックパックパッキング
・ストーブオペレーション
・食料計画
戸隠キャンプ場移動
・テントサイトセレクション
・ロープワーク
・調理片付け

 

[9月10日]戸隠キャンプ場-八方睨-一不動(LOD山本)
・山のトイレ
戸隠山登山
ビレー
フィックスロープ
ツエルト設営
ソロビバーク

 

[9月11日]一不動-高妻-一不動-戸隠キャンプ場(LOD若泉)
高妻山登山
・影響の少ない場所での活動
・野生動物への配慮
ショートローピング
妙高温泉
登山ふりかり

 

 

[9月12日]妙高青少年自然の家
中間評価
リフレッシュ
アドバンスコースガイダンス
ティーチングクラスアサイメント

 

 

[9月13日]戸隠キャンプ場(LOD若泉)
・ゴミの適切な処理
・食料計画・パッキング
・ウェアセレクション
パッキング
戸隠キャンプ場移動
・ナビゲーション(地形図作成)
・フレキシブルリーダーシップ
・コミュニケーション
・クライシスマネージメント

[9月14日]戸隠キャンプ場-黒姫-笹ヶ峰(LOD山本)
黒姫山登山
・水の浄化
・ベイジング

 

 

 

[9月15日]笹ヶ峰-高谷池(LOD山崎)
高谷池登山
・山岳天気

 

 

 

[9月16日]高谷池(LOD山崎)
リフレッシュ
・高層湿原インプリ
・野生動物インプリ
・山名由来インプリ
野外パーティー
・WEAヒストリー

 

[9月17日]高谷池-火打-黒沢ヒュッテ(LOD若泉)
・コラボレーション
リスクマネジメントケーススタディ
・グループダイナミクス
ファイナルエクスペディション
火打山登山
黒沢ヒュッテ移動

 

 

[9月18日]黒沢ヒュッテ-妙高-燕温泉(LOD山本)
ファイナルエクスペディション
妙高山登山
燕温泉
バンクェット
燕温泉泊

 

 

[9月19日]国立妙高自然の家
最終評価
クロージングセレモニー

 

 

 

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