アウェアネスワークショップガイドライン
(Leave No Trace Center for Outdoor Ethics, Master Educator Handbook, pp.122-124, 2011)
A.はじめに
現在LNTには1700人のLNTマスターエデュケーターと、何千人ものLNTトレーナーが登録しています。LNTプログラムに興味を持つ団体が増えるとともに、1日以内の短期間で行えるアウェアネスワークショップの必要性が高まり、このガイドラインを定めることとなりました。
アウェアネスワークショップガイドラインの5つの目標:
・すべてのLNTコースの質を保つため
・効率よくLNTコースを開催するため
・LNTセンターがコースの記録を管理するため
・LNTセンターとコース開催団体及びマスターエデュケーター、もしくはトレーナーをもつ個人との役割を明らかにするため
・野外でコースを開催する場合、野外活動に内在するリスクを同定し、注意を喚起するため
アウェアネスワークショップガイドラインは1日以内のLNTプログラムについて書かれています。このプログラムは30分から丸一日まで幅広く可能です。野外における体験型のプログラムを推奨します。参加費もそれぞれの開催団体で設定できます。LNTセンターは、団体や指導者が資格維持に必要な範囲で、できる限り安い値段で、参加費を徴収することを推奨します。また、すべてのコースで、その期間やタイプに関係なく、LNTの教材を活用することを勧めます。教材はLNTのホームページより購入できます。www.lnt.org
重要な留意点:
LNTのカリキュラムはミニマムインパクトの考え方に基づいています。LNTコースは、登山、クライミング、リバークロッシング、キャンプなどの特別な野外スキルを指導するものではありません。しかしながらLNTプログラムの特性上、多くのコースが野外で行われます。そのため、怪我や最悪の場合死亡事故に至るようなリスクを内在しています。さらに、LNTの原則は、正確に伝えられないと、全く効果がありません。このガイドラインは、団体や指導者がどのようにLNTコースを開催したらよいか定めるものです。LNTセンターはLNTコースを制限したり、指導したりしません。その代わりに、団体や指導者がLNTコースを開催することを、公認の教材によってサポートします。LNTコースを開催しようとするすべての団体や指導者は、自立したLNTとの契約者であり、独自にコースを開催できる責任を持ちます。
LNTコース参加者は、基本的な野外スキルと、野外活動にふさわしい健康状態を維持すべきです。参加者は、自分の安全に責任を持ち、野外レクリエーションにおける怪我の可能性ついて責任を持つことを理解すべきです。
LNTセンターは、LNTコースを開催した団体や指導者の専門性や質を保証するものではありません。LNTコースの参加に興味のある参加者は、独自に団体や指導者を選択、評価してください。
LNTセンターは、すべてのコースに対し、法的、道義的な責任を負うものではありません。
B.開催団体及び個人
アウェアネスワークショップを開催しようとする団体
アウェアネスワークショップを開催しようとする団体は必ずLNTの加盟団体であり、以下のガイドラインに添わなければなりません。
・適切な野外指導スキルを有する指導者を確保すること。
・アウェアネスワークショップのコアカリキュラム、及び以下のコースガイドライン添うこと。
アウェアネスワークショップを開催しようとする個人
マスターエデュケーター及びトレーナーを取得したものは、アウェアネスワークショップを開催することができます。また、LNTの資格を持っていなくとも、LNTに詳しくそれに準ずるものは、アウェアネスワークショップを指導することができます。マスターエデュケーター、トレーナー、及びそれに準ずるものは、アウェアネスワークショップを提供する団体に所属している必要はありませんが、必ずLNTのメンバーでなければならず、かつ、以下のガイドラインに従わなければならない。
・アウェアネスワークショップのコアコンポーネントに添い、及び以下のコースガイドラインに従うこと。
C.LNTアウェアネスワークショップ
1.カリキュラム
LNTアウェアネスワークショップは、マスターエデュケーター、トレーナー、及びそれに準ずるものが指導する1日以内のすべてのLNTプログラムです。アウェアネスワークショップは、マスターエデュケーター、トレーナーコースほど、すべてを網羅していなくてもよく、短期間で、安価で行うことができます。一方で、マスターエデュケーター、トレーナーコースのように、野外におけるミニマムインパクトの考え方に基づいたLNTの基本的なスキルとテクニックを強調しています。ただし、アウェアネスワークショップだけでなく、すべてのLNTコースは、キャンプのような野外スキルを教えるものではなく、野外指導者の資格を発行するものではありません。アウェアネスワークショップの活動例は、LNTセンターを参考することができます。
必須ではありませんが、LNTセンターの評価や、評価資料の作成を推奨します。これらの資料はLNTセンターの教育部に送付してください。
2.アウェアネスワークショップの必須条件
1日以内のアウェアネスワークショップですが、LNTの7原則と、LNTセンターのミッションは必ず含んでください。
LNTセンターのミッションは、教育、研究、連携を通じ、責任ある野外レクリエーションを普及啓発していくことです。LNTプログラムは原動機付きの野外レクリエーションは対象としていません。
また、時間が許す限り以下のトピックスを加えてください。
1.LNTフロントカントリープログラムを含んだLNTプログラムの全体像
2.マスターエデュケーターやトレーナーの役割と機能
3.LNTセンターの役割と機能
4.LNTのホームページと教材の紹介
5.個人や団体のLNTへの参加、支援の方法
3.アウェアネスワークショップ:指導者
アウェアネスワークショップの指導者には、マスターエデュケーター、トレーナー及びそれに準ずるものがなることができます。指導者は、野外指導のトレーニングを受け、指導経験を持つべきです。また基本的な応急処置と、CPRの資格を有し、野外環境に応じて野外救急資格を取得することを推奨しうます。
4.アウェアネスワークショップ:参加者
参加者に制限はありません。ただし、指導者もしくは団体は、指導者と参加者の比率を学習の機会を維持するために、できる限り少なくすべきです。
5.アウェアネスワークショップ:費用
LNTセンターによってアウェアネスワークショップの参加費の規定はありません。指導者もしくは団体が、コースに必要な教材、時間、スタッフなどから、適切な参加費を設定してください。指導者もしくは団体は、資格取得や維持にかかる経費をまかなえる程度、できる限り安く抑えることを推奨します。
6.アウェアネスワークショップ:修了
LNTアウェアネスワークショップを修了したものは、以下の能力を身につけることが望ましいです。
・ミニマムインパクトのテクニックを理解し、友人、家族、コミュニティーに伝えることができる
・野外倫理について話ができ、他人が野外倫理について考えることを助けることができる
・バックカントリーだけでなく、なぜLNTが必要なのか、理解し、説明できる
・LNTセンターのミッションを理解し、言うことができる
・LNTの7原則を言え、説明することができる。
・マスターエデュケーター、トレーナーの役割と機能を理解している
アウェアネスワークショップ終了後、指導者は、参加者の人数、所属、連絡先(名前、住所、電話番号、e-mail)をLNTセンターに30日以内に送らなければなりません。アウェアネスワークショップの報告フォームはLNTのホームページか、1.800.332.4100まで。
D.LNTの名称、ロゴの使用
ロゴの使用
ロゴを使用しようとするすべての団体は、LNTの公式パートナーでなければなりません。詳しくは、1.800.332.4100まで。
ロゴ使用のガイドライン
LNTのロゴは、以下の方法によって使用できます。
1.団体のパンフレット
2.ハングタグの作成においては、1.800.332.4100まで。
3.パッケージプログラムの作成においては、1.800.332.4100まで。
4.団体のニュースレター
5.トレイルの標識
6.教材
7.雑誌やメディア
8.広告やチラシ
ロゴの使用許可
1.ロゴはそのままの形であれば様々なサイズ、デザインで使用可能
2.ロゴは特別な場合でない限り、直径3cm以上
3.ロゴはそのまま使用し、デザインを変更してはいけない
4.もし場所が許すのであれば、7原則と一緒に掲載する
5.LNTセンターはロゴの入ったものを商品化する前に確認する
6.白黒も可能であるが、カラーの場合は以下の通りにする
PMS 512紫、背景
PMS 5125紫、背景
PMS 5483深緑、文字と渦巻き
PMS 512 黄緑、文字と渦巻き
名称の使用
LNTの名称を、製品や書籍に使用するすべての団体は、LNTの公式パートナーでなければなりません。LNTはそのメッセージを広めることを推奨していますが、LNTと言う言葉は、LNTセンターの特定の製品や書籍のためのものです。それ故、製品や書籍を売るために、LNTという言葉は使うことは、許可されません。
承認
LNTは特定の製品、書籍、団体を承認しません。
協定
LNTはプロジェクトの特定の交流協定を結ぶことはありますが、特定の団体と独占的な提携を結ぶことはありません。LNTのミッションは多くの人に、LNTを広めることであるため、新しいターゲットを得るために、常に新しいパートナーシップをつくっていく必要があります。
LNTセンターの教育評価委員会(ERC: Educational Review Committee)は、LNTのコース、カリキュラム、教材開発を統括しています。