ごあいさつ
この度は、野外指導の世界的な名著である「Effective Leadership in Adventure Programing」第3版の出版に伴い、その要約であるフィールドハンドブックがデジタル書籍として無料公開されることとなりました。同書は1997年が初版となり、その後四半世紀にわたり、改訂が重ねられるなど、全世界で最も購読されている野外指導の理論書です。本書は、現在フランス語版、ポルトガル語版が発刊されており、現在世界各国の言語で翻訳が進んでいます。本書の発刊が、我が国の野外指導に共通言語を与え、世界の野外指導者との架け橋となることを心から期待します。
監訳:林綾子(びわこ成蹊スポーツ大学)/岡村泰斗(株式会社backcountry classroom)
共同発行者
一般社団法人Wilderness Education Association Japan
本書の構成
本書は、第1章に示す「野外指導のブロックウォール」のモデルに基づき構成されています。野外指導は、エビデンス、フィロソフィー、ヒストリ、ソーシャルサイコロジ、ソーシャルトレンド&イシュを基礎とし、テクニカルスキル、安全スキル、環境スキルのハードスキルと、ファシリテーションスキル、マネジメントスキル、ティーチングスキルのソフトスキルを必要とします。これらのスキルは、それら単体では十分に活用することができず、コミュニケーション、リーダーシップ、指導者倫理、問題解決、意思決定、判断力などのメタスキルが備わってこそ、効果的に活用することができます(テキスト第1章参照)。