What is WEA?

2020年2月コロナパンディミックにより、WEA史上初となったオンラインカンファレンスでしたが、蓋を開けると、参加者500名と、こちらもWEAカンファレンス史上最高の参加人数に。

その記念すべきオンラインカンファレンスの冒頭の、ニューカマーのためのシンプルでわかりやすいWEAの紹介があったので、私たちもWEAのWhat?(過去), Now What?(現在), and So What?(未来)を共有しましょう。

WEAとは、野外指導(アウトドアリーダーシップ)を専門とし、職業としての持続的な発展を目指す、学生、指導者、育成者のコミュニティーです。

単に野外指導の技術の上達や、ネットワークだけでなく、職業(プロフェッショナル)として考えているということが重要です。

野外指導者の育成や、その組織の公認基準を示し、野外指導者及び育成者の体系的な養成と証明のシステムを提供しています。

指導者に対する資質の証が資格(サーティフィケーション)、コースのプロバイダーに対する資質の証が公認(アクレディテーション)です。日本だと、まだまだ言葉の整理ができていませんが、意味は使い分けていきたいですね。

1977年の設立当初はWilderness Use Education Association という名称でした。ここからも、野外を「用いた」教育というWEAの理念がわかります。

当初は野外指導者に必要な18のスキルの固まりを示した18ポイントカリキュラムを、3週間の野外遠征で習得するというのが、アメリカのナショナルスタンダードとなりました。

そして、このカリキュラムを用いて、大学で野外を専攻する学生をトレーニングして、資格を与えるというのが、長年の役割でした。

ところが、大学の専攻の多様化や、長期遠征がやりにくくなった教育環境を踏まえ、2000年前半に、18ポイントカリキュラムを見直す動きが起こりました。

それが現在の6+1コンポーネントで、18のスキルの固まりをさらに、6つの構成要素(コンポーネント)に体系化し、「判断力」をその全てを活用するスキルとして位置付けました。つまり、判断力が+1ということです。

また、18のうち、冒険活動スキル(クライミング、パドリング、スキー)と、野外救急法の2つについては、当時すでにそれぞれの専門団体が確立していたことから、WEAのコースではなく、各自が別の団体で指導内容に応じて取得することが義務付けられました。

これにより、3週間の野外遠征を行わなくても、色々な団体、コースで必要な構成要素を習得し、総合的に6+1をカバーできたか評価する、柔軟なカリキュラムが誕生しました。

これが、WEAが日本でも導入可能となった大きな要因です。

資格を与える体系は以下の通りです。

まず、野外指導者としての業界基準(ベンチマーク)となるなのが、Certified Outdoor Leader(COL)です。この資格は、6+1を用いて、野外指導ができるという資質の証です。

一方、そのCOLを育成する資質の証が、Certified Outdoor Educator(COE)です。単に、野外指導ができるというだけでなく、指導者を育てるためにコースをデザインできて、指導者の到達段階を妥当に評価する能力が必要となります。

そして、もう一つ重要なのは、そのコースを主催する機関が、それに相応しいサービスを提供できるかといった、公認(アクレディテーション)の仕組みです。

18ポイントカリキュラムでは、単一の指導者が3週間のコースで指導者養成をすれば良かったのですが、6+1では、複数のコース、複数の指導者、異なった教育機関との連携で、一人の生徒を育てるわけですから、その全てを提供できる資質があるか審査されます。

また、近年の新し資格として、COLへのトレーニング中という位置付けで、Outdoor Leader Traning Course(OLTC)というのができました。これは、これだけ構成要素をブレイクダウンしても、まだまだCOLを満たすことができない機関、コースに対して、一部の構成要素は履修できましたというお墨付きです。今後COLへのエントリーレベルとして効果的に活用されることが期待されています。

そして、WEAのゴールは、野外指導者の業界基準(スタンダード)と資格の価値を高め、野外指導もしくは野外教育が、確立され、信頼された職業となることを目指します。