WRMJワークショップ「野外救急における脊椎保護の考え方」

山本亮司(神戸YMCA/WMTCアシスタントインストラクター)

WMTC(Wilderness Medicine Training Center)では全米の野外救急法の実践ガイドラインに基づき、国内でWFAとWFRコースを開催しています。このワークショップでは、避難方法に大きな影響を与える脊椎のマネジメントについて考えたいと思います。

WFAコースは、救急車の到着までに時間のかかる野外指導や、通信手段の確保されている日帰りの野外遠征の指導者を対象に計画されています。全米キャンプ協会でも救急車の到着までに30分以上かかるキャンプ場や、全米ボーイスカウト連盟で16歳以上のリーダーに標準化されています。

WFRコースは、通信手段のない、野外ガイド、遠征のリーダー、野外指導者を対象に計画されています。WFRは、野外教育や野外レクリエーションの業界のスタンダードとなる野外救急法資格です。野外の専門家はもちろん、野外遠征に仲間と行く前に知っておきたい内容です。数日間の野外遠征に焦点を当てた知識と技術は、野外現場だけでなく、救急救命や二次救命がすぐに行われない、災害、新興国の遠隔地など、救急的な医療現場にも応用できます。

今回のワークショップでは長期遠征、Wilderness環境下で発生したアクシデント時に脊椎損傷の疑いのある傷病者をどの様に固定・搬送することができるのか?をテーマに皆さんにもご協力いただき、参加型で行います。もちろん、遠征中はバックボードや脊椎固定の専用の器具はありません。遠征に持って行っている限られた装備のみでどの様に「固定」「搬送」を行うのか?共に考えましょう!

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