クロストーク

ウィルダネスの教育力を科学する

パネラー:
Jay Post(アーカンソー州立大学)
Ryan Butler(モンタナ州立大学)
もう1名予定

モデレーター兼通訳:
岡村泰斗(WEAJ代表)
濱谷弘志(北海道教育大学)

ウィルダネスという言葉は、西洋の歴史、宗教、自然環境、土地管理政策に根ざしたものなので、我が国ではなかなか馴染みがなく、時には誤解されてしまう言葉かもしれません。Wilderness Education Association(WEA)は、1977年に、ウィルダネス環境を用い、安全と環境に配慮しながら、参加者の体験の質を保証できる野外指導者の育成を、主として高等教育機関で行うための教育体系を提供するために生まれました。その後、約50年間に渡り、全米の野外指導者養成カリキュラムのナショナルスタンダードとして機能しています。

このクロストークでは、アメリカのWEAエデュケーターたちの視点による、ウィルダネス教育の教育的価値について議論します。まず、日本人に馴染みの薄い、ウィルダネスという言葉を定義します。次に、どのような教育効果があるのか、科学的な研究結果をもとに紹介します。また、それらの教育効果がウィルダネス環境だからことより高まるメカニズムについても紹介します。さらに、私たちがウィルダネスを人材育成の場として活用するときに、どうのような指導技術やプログラムが必要となるか議論します。

進行は、パネラーに対する一問一答のライブ方式で行います。会場のみなさんからの質問も通訳を介しライブでパネラーにぶつけてみましょう。セッションが終わるときには、日本の自然を見る新たな視点が得られ、みなさんの野外指導にロジックと信念が加わることを期待します。

ウィルダネス教育の小史:
1941年英国で冒険活動による青少年教育を目的としたアウトワードバウンド(OB)活動が開始される。
1962年コロラドOBSの設立により、米国でOB活動が開始される。
1964年環境保全と余暇活用を目的としてウィルダネス法が制定される。
1965年野外指導者育成のために全米野外指導者学校(NOLS)が設立する。
1977年高等教育機関における野外指導者養成のためにWEAが設立する。

ブログ:ウィルダネスって何ですか?