フィールドワークショップ一覧

6月19日(水)/青梅会場・S&Dたまぐーセンター
9:00 フィールドワークショップ(WEAJ/WRM/LNTJ) ※雨天時は20日プログラムと変更

ラフティング教育一考察

岡村泰斗(backcountry classroom Inc.)

川遊び安全教室プロフェッショナルエディション

発表者:平井琢(ラフティング協会技術安全部会長)

リバークリーンから考えるLNTの可能性と難しさ

発表者:伊東 由宥子(あすくり青梅)

各フィールドワークショップ概要(抄録) 

ラフティング教育一考察

岡村泰斗(backcountry classroom Inc.)

Wilderness Education Association(WEA)は、1977年より、ハイキング、パドリング、バックカントリースキーなどのアウトドアパスーツによる遠征活動を通じて、安全と環境に配慮し、参加者の体験の質を保証できる野外指導者養成のグローバルスタンダードと、養成機関に対する公認プログラムを提供してきました。WEAを採用する業界は、エデュケーション、ツーリズム、インストラクションなど、多岐にわたります。パドリングの中でもラフティングは、スタート段階でのスキルを必要としない、チームで活動する、フリップのリスクが低い、積載量が多いなどの特性から、WEAの遠征活動で取り入れられる頻度が高いアクティビティです。

一方国内では、市場ベースのサービスにより、瀬の続くコースを、数時間のラフティング体験で終える商業ラフティングが中心で、ラフティングのもつ潜在特性を活かしているとは言い難いサービスが中心です。また、これにより、ガイド育成についても、テクニカルスキルが中心となり、ファシリテーション、リーダーシップなどの情報が含まれていないのが現状です。

このフィールドワークショップでは、プロガイドのサポートを受けながら、彼らとともに、ラフティングというアクティビティを通じて、どのような指導的介入、カリキュラムにしたら、参加者のリーダーシップを育成できるのかという、実験的なラフティングトリップを実施します。参加者は、通常のカンファレンス開始時間よりも早く、トリップのスタート地点である、青梅線御岳駅に集合します。参加者全員がラフティングに乗り、実際にリバーダウンを行います。気軽に参加できるのがラフティングの最大の強みですので、ラフティング未経験者の方も参加可能です。リーダーシップについて学びたい方、ラフティングを体験したい方、多摩川に飛び込みたい方、大歓迎です!

川遊び安全教室プロフェッショナルエディション

平井琢(ラフティング協会技術安全部会長)

川には陸地にはない特徴的なリスクがあります。それは水がること、流れがあること、に起因しています。川の水が持つ特有のリスクとして、深さの変動、水温、さらには目に見えない障害などが挙げられます。
流れがあることのリスクには、急な流れや渦(エディー)、川底へと引き込む立体的な力、などがあり、これらは一見、予測が難しく、知らないと危険です。これらのリスクを理解し、適切に備えることにより、川は安全に楽しむことができる貴重な野外フィールドとなります。

特に日本の河川は、世界でも類を見ないほど地形の変化に富んでいます。高低差が大きく、多くの滝や急流が存在する一方で、穏やかな流れや広い河原も点在しています。そのため、清らかな流れと美しい景観を持つ日本の川は、アウトドア活動を楽しむための素晴らしい自然資源となっています。私たちは、これらの自然の魅力をより多くの人々に知ってもらい、楽しんでもらいたいと考えています。

しかしながら、毎年夏になると耐えることのない河川での水難事故が発生しています。これは「川は危険」という社会的なバイアスを生み出し、野外指導者のみならず一般の方のリバーリテラシー(川に関する知識や安全意識)の育成を妨げている現状があります。川の正しい知識と安全対策を普及させることは、事故を未然に防ぎ、川をもっと身近で安全に楽しむために必要不可欠です。

このワークショップでは、川の危険箇所や危険行動について参加者とともにレビューし、実際のフィールドで確認します。例えば、流れの速い場所や深さが急に変わる場所、渦になっている場所、致命的な事故につながる岩などの危険要素をどのように見分けるかを学びます。また、万が一事故が発生した時の簡便な救助方法についても体験します。具体的には、溺水者を安全に救助するための基本的な技術や、救助する側の安全管理の方法について実践を通じて学びます。

さらに、溺水者役の立候補を募集しています。参加者が積極的に参加し、リアルなシミュレーションにてワークショップやデモンストレーションを行うことで、臨場感を感じいただければと考えています。

このワークショップを通じて、参加者全員が川の安全性について深く理解し、楽しみながら学ぶことを目指しています。川の魅力を存分に味わいながら、安全に楽しむための知識と技術を身につけましょう。

主なスケジュール

  • 集合、河原への移動
  • セルフレスキュー(自己安全確保)
  • 活動環境の把握
  • 判断の根拠
  • 活動装備や服装に関する考察
  • 基本的なリバースイミング
  • 基本的なスローバック救助

     

    参加者の準備

    河原を歩くこと、水に濡れることを考えたシューズ希望者には川に入るためのライフジャケット・ヘルメット・ウェットスーツを準備しています。(5名分程度?)

リバークリーンから考えるLNTの可能性と難しさ

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発表者:伊東 由宥子(あすくり青梅)

このフィールドワークは、西多摩エリアでリバークリーンに取り組むあすくり青梅(釜の淵公園周辺)とフォースウェルネス(秋川界隈)が担当します。
具体的には、当日の会場から徒歩10分程度の釜の淵にてリバークリーン活動をしたのち、川ゴミや直火問題につながるLNTの原則を体験的に学んでいただきます。その後、2団体の日頃の活動を、LNTの原則が活かされている経験となかなかうまくいかない経験の両面から共有します。その上で、参加者の皆さんがそれぞれのフィールドで感じる「LNTの原則が教えてくれる可能性と、一筋縄にいかない葛藤」についてダイアローグの時間を持ちます。
私たちから答えを伝える時間ではなく、知恵や経験を持ち寄り、一緒に考える時間として共に有意義な時間を作れたらと思います!