ワークショップ「アウトドアリーダーシップ:野外教育指導者とガイドとのコラボレーション!」【6/16 8:30~10:00】

・島崎晋亮(WEAJ理事/信州アウトドアプロジェクト)

・杉山隆(October Deer)


 自然の中に人を連れていくという共通点を持つ、野外教育指導者とガイド。その双方に必要となるスキルの一つに、“アウトドア場面で目的を達成するために人や事を動かす力”であるアウトドアリーダーシップがあります。では、野外教育指導者とガイドのように、その役割が違えば、それぞれに求められるアウトドアリーダーシップに違いが出てくるのでしょうか?
 今回のワークショップでは、野外教育指導者とガイドが求めるリーダーシップの違いを明らかにした、アメリカの博士論文を紹介するとともに、このカンファレンスの会場でワークショップの参加者を対象に、アメリカの博士論文と同じ調査をおこないます。さぁ、結果はいかに・・・!?
 双方での立場によるリーダーシップの共通点、またそれぞれの特異性を議論し、お互いが持つ優れた点を学び、今後の現場で役立たせていきましょう。

ワークショップ「アジアの山岳地域における環境配慮の状況とLNTの理解」【6/15 15:40~17:20】

・西島 大祐(鎌倉女子大学短期大学部)


ワークショップの前半には主にキナバル山(マレーシア)や玉山(台湾)といった、東南アジアと東アジアの最高峰を誇る山岳地域での環境配慮の状況について、自身の訪問した経験からいくつかの例を挙げて紹介します。

後半にはリーブ・ノー・トレイス(LNT)の実践方法について、皆さんと一緒に考える時間を持ち、理解を深めていきます。

LNTに詳しくない方にもわかりやすくお話をしていく予定ですので、ぜひお気軽にご参加をどうぞ!

ワークショップ「WEA式トリッププランの作り方」【6/16 10:00~11:30】

発表者

・森本 弘太(エンカレッジ株式会社)


皆さんは登山をする際に、しっかりと計画を立てることができますか?

エアリアマップや携帯のアプリなどとても便利が道具がたくさんありますが、どんな根拠でコースタイムが算出されているか知っていますか?

このワークショップではWEA式トリッププランを実際に作ってもらいます。

これから登山を始めたい方からガイドの方まで、山に関わるたくさんの人に知っていただきたいです。

ぜひお越しください!!

ワークショップ「チャレンジコースの元祖ASEを科学する:ASEの原理、指導法、設置を体験しよう」【6/16 10:00~11:30】

発表者

・柴原尚之 氏(茨城県立さしま少年自然の家)

・小川裕貴 氏(茨城県立さしま少年自然の家)

・金子典子 氏(お休み処坂長)

・岡村泰斗 氏(backcountry classroom Inc.)


ASEとは、Action Socialization Experienceの略で、小集団による課題解決を通じ、参加者のメタスキルを育成するプログラムで、今日では一般的にチャレンジコースとして知られています。

1974年に当時ペンシルヴェニア州立大学に在学中の飯田稔により、国内に初めて紹介され、その後筑波大学で独自の開発を遂げ、今日では日本サッカー協会S級ライセンスのカリキュラムに導入されたり、多くのプロスポーツチーム、企業研修が採用するなど、普及しています。

ASEは、もともと、アウトワードバウンドの冒険教育の理念から生まれ、現実的なリスクが内在します。また、環境へのインパクトを最小限に抑えた仮設型の施設や、参加者の能力に応じた可変的な課題設定を特徴とします。

茨城県では、県立の2つの野外活動施設を管理する茨城県教育財団が、それぞれの施設でASEを展開するための、資格認定制度「いばらきASEイニシアティブ」を2016年に立ち上げました。

また、この資格制度のもと、多くの施設職員がASE指導、設置の専門技能を有し、また、地域の学校教員、社会教育指導者にASEの理念が浸透するなど背景を受け、ASEに関する指導者、実施団体のネットワークである、「いばらきASEラボラトリー」を2018年に設立しました。

茨城県立さしま少年自然の家では2016年に1761人、2017年に1837人、2018年に793人がASEを実施するなど、主要な活動プログラムとなっています。

このワークショップでは、ASEの考え方と、茨城県内での一連の動きを紹介し、ASEの設置技術の基礎となる、自然の立木を用いた高所へのビーム(梁)の設置を、参加者全員で体験したいと思います。

ワークショップ「WEAアウトドアリーダーオントレーニング:新しいWEA資格のコースデザインを学びます」【6/16 8:30~10:00】

発表者

・岡村泰斗(backcountry classroom Inc/WEAJ代表理事)


WEAは、2017年に、野外教育指導者の専門性の確立を目指し、野外教育指導者養成を行う養成機関と、マーケットの業界基準を包括的に検討し、新たな資格システムを構築しました。

これまでのアウトドアリーダー、及びアウトドアエデュケーターにより専門性と、実務経験を課したほか、養成機関から、より現実的、かつこれらの専門的な資格にスムーズに移行できるために、アウトドアリーダーオントレーニングという一部の課程の修了資格を開発しました。

一方、 2013年に設立したWEAJは、5年間のアクションプランを遂行し、2018年に世界で初めて、WEAと同盟協定を締結し、日本国内で独自に会員管理、課程認定ができるようになりました。

このワークショップでは、主として野外教育指導者養成団体、及び個人を対象に、アウトドアリーダーオントレーニングの規定とコースデザインについて理解します。

また、ワークショップでは参加者の既存のトレーニングカリキュラムを基に、どうしたら課程認定コースになるか、検討します。

ワークショップ「Us 4 IRIOMOTE ~西表島の明日に私たちができる4つのこと~」【6/15 15:40~17:20】

発表者

竹田尚志 氏(キーン・ジャパン合同会社/Us 4 IRIOMOTE代表)

井上泰子(キーン・ジャパン合同会社/Us 4 IRIOMOTEマーケティング)

岡村泰斗(backcountry classroom Inc/Us 4 IRIOMOTEパートナー)

吉田理史(信州アウトドアプロジェクト/西表エコツーリズム協会子どもウィーク講師)

島崎晋亮(信州アウトドアプロジェクト/US4IRIOMOTE全国キャラバン講師)

越生寛子(神戸YMCA/LNTトレーナー西表コース講師)


 日本に残る最後の秘境西表島。この島は現在観光と環境保護の間で揺れています。Us4IRIOMOTEは、西表島の豊かな自然と文化を継承していくために、「私たち」ひとりひとりが「明日」にできることを考え、「知ろう」「守ろう」「話そう」「残そう」の4つのキーワードを軸に行動していくプロジェクトです。主な活動として、「エシカル・ツーリズム」の啓蒙、動物・自然保護団体の支援、西表島のドキュメンタリー映画の製作を行なっています。

 WEAJは、「知ろう」の活動の一環として、西表島のツーリストに対するLNTの啓発や、西表島のガイドに対してLNTの教育を支援しています。また、全国にエシカル・ツーリズムを普及させるために、全国各地で、このプロジェクトの紹介やLNTワークショップを開催する全国キャラバンを実施しています。この第7回WEAJカンファレンスの行われる国立赤城青少年交流センターもその会場の1つとなります。

 このワークショップでは、Us4IRIOMOTEおよび、WEAJの活動を理解し、プロジェクトに参画する組織のそれぞれの立場から、西表島を訪れるツーリストがLNTの考え方を理解し、持続可能なエシカル・ツーリズムを実践するためのアクションプランを計画します。皆さんのアイディアで作成したアクションプランは、実際の組織にフィードバックし、今後のUs4IRIOMOTEの活動に役立ててもらいます。

このワークショップの成果が、今後インバウンドの増加等で様々な価値観をもつツーリストの増加が予想される日本各地の自然観光地において、すべてのツーリスト、ガイド、地元の方々が、LNTの普遍の原理に基づき、気持ちよく自然を楽しみ、いつまでの豊かな日本の自然が残ることにつながるといいですね。