コーディネーター徳田真彦(北翔大学)
野外教育は理論と実践が融合をすることで、より高いレベルの指導や、教育を行うことができるようになりますが、このワークショップでは、まさに理論の礎を築く「研究」に関して見つめていきます。
これまで野外教育の効果は、心理的側面や社会的側面、環境・行動的側面に関する研究が多くなされてきており、海外諸国の研究においてもその効果が明らかにされている所です。さらに近年では、効果を得られる「要因」についてアプローチされてきており、より現場への還元が意識されてきているように感じます。一方で、対象者やプログラム、自然環境などが一定ではなく、常に変動する野外教育では、効果要因を限定する事が非常に難しく、単一の研究事例とも捉えられることから、効果が得られる要因を「Black Box」として扱っている現状もあります。このように今日までさまざま研究が進められていますが、まだまだ課題があり、多くの可能性が残されています。
そこで、これから分析や執筆をはじめる研究や、これから研究を始めるリサーチプロポーザル(研究計画)など、現在進行形の研究をこの機会にぜひご紹介ください。その研究がより良くなるように、参加者同士でフランクにディスカッションをしたいと思っています。さまざまな人から自分の研究を見てもらうことによって、見えてなかった視点から研究を見つめることができたり、もしかしたら調査対象の確保なんて事もあるかもしれません。また、様々な人の研究の視点を知れたり、近年の研究動向などを掴むのには絶好の機会となり、発表者にとっても、参加者にとっても有意義な時間となるのではないかと思います。これまで研究をしてきた人、これから研究を始めたい人などどのような人でも気軽にご参加下さい。これまで、大学院生の修士論文や学部生の卒業論文、海外からもリサーチプロポーザルの発表を行ってきています。より良い研究を目指して、全国の大学生、大学院生、研究者の皆様、研究に興味のある皆様の発表やご参加をお待ちしています!
「Low-Impact Mountaineering: Research of Management Strategy, Program Implementation and Effectiveness Evaluation for Sustainable Natural Environment」
Chung-chi Wu(National Taiwan Normal University)
「ジャーナルライティングがキャンプカウンセラーのメタスキル向上に及ぼす効果」
伊丹祟(backcountry classroom Inc.)
「Of brand personality and self-congruence: from the Silk Road to the Tokaido Road」
Philip Wang (Kent University)