井関純二(一般社団法人山岳寄付基金(やまきふ共済会)代表理事/株式会社インスクエアコンサルティング代表取締役)
ご存知の通り山岳遭難事故は年々増え続けここ数年は高止まり状態と言われています。その中で山岳遭難の救助体制は大きく変化してきており、それに伴い埼玉県の防災ヘリ有料化など遭難者や自治体の金銭的な負担や課題にも影響が出てきています。
そこで数多くの遭難者およびその家族と接する機会がある山岳保険を扱う立場から、山岳遭難事故の実例に基づき以下の項目についてお話させていただき、登山計画書と山岳保険について考える機会になればと思います。
【救助体制の違いによる金銭負担】
現在では主流となった公的救助と民間救助の出動基準と費用負担と、埼玉県の防災ヘリ有料化の賛否について。
【登山計画書の提出先で生死が分かれる?】
何の目的で登山計画書を提出するのか?また警察等はなぜ提出を促すのか?また登山口のポストや警察署、または家族だけに提出した場合の救助までの流れは?
【絶対やってはいけない山岳保険の選び方】
山岳保険=遭難した際の救助費用が補償されるもの。遭難時の救助費用が半分以上の事例で補償されない山岳保険がたくさんあります。
【救助費用以外の親族の金銭的負担について】
遭難時には捜索救助のための費用以外にも、親族が現地に駆け付けた際の宿泊交通費の方が大きくなるケースもあります。また行方不明時の法的位置づけと生命保険や社会保険の対応はどうなるのか?
【保険請求の仕組み】
山岳保険に限らず一般的な自動車保険や生命保険も含めて、保険は契約者ないしその親族からの保険事故の報告によって保険金を請求することが出来ます。そのために最低限しておかなければいけないことは?